《野生の心、セルヴァラ》は、コンスピラシー2で登場した伝説のクリーチャーです。この統率者の最大の特徴は、自身がコントロールするクリーチャーの最大パワー分のマナを瞬間的に生み出せるところにあります。そのため、低コストでパワーの大きいクリーチャーと組み合わせることで、序盤から爆発的なマナ加速が可能です。
また、生み出したマナ分だけドローに変換できるカードも多く採用されているため、前のめりに展開したは良いがハンドが無いなどといったリソースの枯渇問題も回避できるため、安定した挙動でアグレッシブに攻めたいという方や、巨大なクリーチャーを高速で展開したいという方にはまさにうってつけでしょう。
《野生の心、セルヴァラ/Selvala, Heart of the Wilds》
カード名 | 野生の心、セルヴァラ |
マナコスト | ①緑緑 |
タイプ | 伝説のクリーチャー — エルフ・スカウト |
テキスト |
他のクリーチャーが1体戦場に出るたび、そのパワーがそれ以外の各クリーチャーのパワーよりも大きいなら、それのコントローラーはカードを1枚引いてもよい。 |
P/T | 2/3 |
ハイシナジーカード
《ファイレクシアン・ドレッドノート》
《ファイレクシアン・ドレッドノート》の誘発のスタックでセルヴァラの能力を起動することで、2マナから12マナまで一気にマナ加速できます。
また、桁外れなパワーを持っているため《野生の心、セルヴァラ》のもう一つの能力である「戦場に出たクリーチャーのパワーがその場の中で最大であれば1ドロー」という常在効果によりほぼ確定でドローも可能です。《破滅の終焉》や《俗世の教示者》などといったサーチカードを活用して早期運用を目指しましょう。
*《ファイレクシアン・ドレッドノート》自体は緑のクリーチャーではないため《自然の秩序》や《緑の太陽の頂点》などでライブラリーから引っ張って来ることはできない点に注意しましょう。
《巨大猿、コグラ》
このデッキのあらゆる場面を支えてくれる最強のクリーチャーカードです。戦場に着地した際の誘発でクリーチャーと格闘を行い、攻撃誘発でアーティファクトかエンチャントを1つ破壊することができます。《巨大猿、コグラ》の持つこれらの誘発効果は《エメリアのアルコン》や《呪われたトーテム像》などといった、このデッキの障害となるカードを取り除くことに貢献します。
そうして最終的には《ハイラックス塔の斥候》と組み合わせて無限マナを生み出すなど、妨害とコンボをこの1枚で両立して行うことができる、無くてはならないカードです。
《威圧の杖》
《野生の心、セルヴァラ》と、パワー6以上のクリーチャーが揃っているときに《威圧の杖》のアンタップ能力とドロー能力を起動することで、無限マナ&無限ドローを生み出し、そのまま勝ちに行くことができます。
一度動き出してしまえば《野生の心、セルヴァラ》や《威圧の杖》に対して除去が飛んできたとしても、そのスタックの上から重ねて《威圧の杖》を起動していくことで、問題無くコンボを継続していける点も強みです。
《ワイアウッドの番小屋》
《野生の心、セルヴァラ》を1マナでアンタップすることができる非常に強力な土地カードであり、このデッキにおいては《輪作》でサーチする筆頭になります。
前述の《ファイレクシアン・ドレッドノート》で12マナを生み出した際に《輪作》があれば《ワイアウッドの番小屋》を戦場に出して《野生の心、セルヴァラ》を使い回すことで、瞬間的に20マナ以上を生み出すことも可能です。
しかし、常に上記のような動きができるわけではなく、各種ドローソースから後引きしてコンボに繋がる場合もあるので、土地は手札にあるからといって先に置かず、状況次第ではドローを見てから置くという意識を持つことも重要です。
デッキリスト
統率者(1)
《野生の心、セルヴァラ/Selvala, Heart of the Wilds》
クリーチャー(29)
《アロサウルス飼い/Allosaurus Shepherd》
《東屋のエルフ/Arbor Elf》
《野生の魂、アシャヤ/Ashaya, Soul of the Wild》
《極楽鳥/Birds of Paradise》
《ボリアルのドルイド/Boreal Druid》
《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe》
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
《忍耐/Endurance》
《永遠の証人/Eternal Witness》
《Fyndhorn Elves》
《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger》
《大樫の守護者/Great Oak Guardian》
《ハイラックス塔の斥候/Hyrax Tower Scout》
《巨大猿、コグラ/Kogla, the Titan Ape》
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
《狼の試作機/Lupine Prototype》
《刻み角/Manglehorn》
《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》
《ファイレクシアの魂喰らい/Phyrexian Soulgorger》
《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
《威厳の魔力/Regal Force》
《秘宝のゴーレム/Relic Golem》
《スクリブのレインジャー/Scryb Ranger》
《避難の古木/Sheltering Ancient》
《森を護る者/Sylvan Safekeeper》
《ティムールの剣歯虎/Temur Sabertooth》
《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》
《森林の怒声吠え/Woodland Bellower》
インスタント(17)
《秋の帳/Autumn's Veil》
《内にいる獣/Beast Within》
《召喚の調べ/Chord of Calling》
《輪作/Crop Rotation》
《活性の力/Force of Vigor》
《激励/Invigorate》
《古きクローサの力/Might of Old Krosa》
《重大な落下/Momentous Fall》
《自然の要求/Nature's Claim》
《むかしむかし/Once Upon a Time》
《強行突破/Ram Through》
《野生語りの帰還/Return of the Wildspeaker》
《呼応した呼集/Shared Summons》
《召喚士の契約/Summoner's Pact》
《夏の帳/Veil of Summer》
《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
《俗世の教示者/Worldly Tutor》
ソーサリー(10)
《異界の進化/Eldritch Evolution》
《破滅の終焉/Finale of Devastation》
《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith》
《生命の遺産/Life's Legacy》
《自然の秩序/Natural Order》
《リシュカーの巧技/Rishkar's Expertise》
《厚鱗化/Scale Up》
《魂の威厳/Soul's Majesty》
《歯と爪/Tooth and Nail》
《変わり樹の共生/Turntimber Symbiosis》
エンチャント(6)
《花の絨毯/Carpet of Flowers》
《ケンリスの変身/Kenrith's Transformation》
《適者生存/Survival of the Fittest》
《森の知恵/Sylvan Library》
《楽園の拡散/Utopia Sprawl》
《繁茂/Wild Growth》
プレインズウォーカー(1)
《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》
アーティファクト(8)
《金属モックス/Chrome Mox》
《宝石の睡蓮/Jeweled Lotus》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《無のロッド/Null Rod》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《威圧の杖/Staff of Domination》
《暗黒のマントル/Umbral Mantle》
土地(28)
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《ギャレンブリグ城/Castle Garenbrig》
《魂の洞窟/Cavern of Souls》
《出現領域/Emergence Zone》
《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle》
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
《ヒッコリーの植林地/Hickory Woodlot》
《家路/Homeward Path》
《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》
《ワイアウッドの番小屋/Wirewood Lodge》
《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ/Yavimaya, Cradle of Growth》
《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ/Yavimaya, Cradle of Growth》
《森/Forest》×17
コンボルート
《野生の心、セルヴァラ》+《巨大猿、コグラ》+《ハイラックス塔の斥候》
1 | 《野生の心、セルヴァラ》を起動し《巨大猿、コグラ》参照で緑7マナ生成 |
2 | 《ハイラックス塔の斥候》を戦場に出し《野生の心、セルヴァラ》をアンタップ |
3 | 再び《野生の心、セルヴァラ》を起動し《巨大猿、コグラ》参照で緑7マナ生成 |
4 | 《巨大猿、コグラ》を起動し《ハイラックス塔の斥候》を手札に戻す |
5 | 2-4の手順を繰り返して無限マナ |
《巨大猿、コグラ》は《ティムールの剣歯虎》+パワー7以上のクリーチャーでも代用可
《野生の心、セルヴァラ》+《野生の魂、アシャヤ》+《クウィリーオン・レインジャー》
《野生の魂、アシャヤ》の効果で《クウィリーオン・レインジャー》自身が《森》になるため、自身をコストにアンタップが行えるようになります。そのため《野生の心、セルヴァラ》で3マナ以上生成できる状態で、無限マナとなります。《野生の魂、アシャヤ》のパワー参照で膨大なマナが生成できるため、3マナ以上という条件は容易に達成できるでしょう。
無限マナ達成後に《威厳の魔力》や《永遠の証人》などの、強力ETBを持ったクリーチャーを《クウィリーオン・レインジャー》の能力で手札に戻し、勝ち手段を持ってくることもできます。
《クウィリーオン・レインジャー》以外を戻すことでループが終わってしまうため、他を戻すことができるのは最後の一回のみです。また《クウィリーオン・レインジャー》は《スクリブのレインジャー》でも代用可能です。《精神的つまづき》といった妨害を避けることができるので、選択できる状況であれば《スクリブのレインジャー》の方が望ましいです。
《野生の心、セルヴァラ》+《ティムールの剣歯虎》+《大樫の守護者》
1 | 《野生の心、セルヴァラ》を起動し、マナを生成 |
2 | 《大樫の守護者》を戦場に出し、自身を対象に全てクリーチャーアンタップ&+2/+2修正 |
3 | 再び《野生の心、セルヴァラ》起動し、マナを生成 |
4 | 《ティムールの剣歯虎》を起動し《大樫の守護者》を手札に戻す |
5 | 2-4の手順を繰り返し、パワー8以上のクリーチャーができ上がった時点で無限マナ→《大樫の守護者》で無限パワー&タフネス修正 |
ループの過程で《ティムールの剣歯虎》のパワーも上がってしまうため、《野生の心、セルヴァラ》のドローが誘発しない点に注意しましょう。
《野生の心、セルヴァラ》+《威圧の杖》+パワー6以上のクリーチャー
1 | 《野生の心、セルヴァラ》を起動し、6マナを生成 |
2 | 《威圧の杖》のアンタップ能力を起動し《野生の心、セルヴァラ》をアンタップ |
3 | 《威圧の杖》自身を1マナでアンタップ |
4 | 1-3の手順を繰り返して無限マナ→《威圧の杖》で無限ドロー&無限ライフ |
《野生の心、セルヴァラ》+《暗黒のマントル》
1 | 《野生の心、セルヴァラ》に《暗黒のマントル》を装備 |
2 | 《野生の心、セルヴァラ》を起動し、マナを生成 |
3 | 《暗黒のマントル》を起動し《野生の心、セルヴァラ》をアンタップ&+2/+2修正 |
4 | 1-3の手順を繰り返して無限マナ+無限パワー&タフネス修正 |
パワー参照のドローカードを所持している場合は、《野生の心、セルヴァラ》のパワーを調整してからドローを行い、その後で無限マナを達成させましょう。
*無限マナが出た後では無限ドローでライブラリーアウトしてしまいます。
本リストに採用していない無限マナルート
《調和の中心》+《野生の魂、アシャヤ》+《クウィリーオン・レインジャー》
調和の中心で全てのクリーチャーが速攻を持っていること&アシャヤでクリーチャーが森であるを利用して無限マナ
1 | 《野生の魂、アシャヤ》をタップして1マナ |
2 | 《クウィリーオン・レインジャー》を戦場に出し、タップして1マナ |
3 | 《クウィリーオン・レインジャー》を起動して、自身を手札に戻して《野生の魂、アシャヤ》をアンタップ。そのままタップして1マナ生成 |
4 | 再度《クウィリーオン・レインジャー》を戦場に出し、タップして1マナ |
5 | 3-4の手順を繰り返して無限マナ |
《野生の心、セルヴァラ》+《雲石の工芸品》+《ワイアウッドの共生虫》+《1マナエルフ》
セルヴァラから4マナ以上生成できることが条件
1 | 《野生の心、セルヴァラ》を起動して4マナ生成 |
2 | 《ワイアウッドの共生虫》を起動し《1マナエルフ》を手札に戻して《野生の心、セルヴァラ》をアンタップ。そのまま起動して4マナ生成 |
3 | 《1マナエルフ》を戦場に出し《雲石の工芸品》の誘発で《ワイアウッドの共生虫》を手札に戻す |
4 | 《ワイアウッドの共生虫》を戦場に出す |
5 | 2-4の手順を繰り返して無限マナ |
無限マナ到達後のルート一覧
《野生の心、セルヴァラ》+《ティムールの剣歯虎》
《ティムールの剣歯虎》でクリーチャーを出し入れし、《野生の心、セルヴァラ》のドロー能力を誘発させての無限ドローが基本系になります
戦場で一番パワーの高いクリーチャーを出し入れする必要がある点に注意です
《破滅の終焉》
《破滅の終焉》をX=無限で唱えてから戦闘で勝利
《ティムールの剣歯虎》+《永遠の証人》+《内にいる獣》+《巨大猿、コグラ》
総評
《野生の心、セルヴァラ》は、序盤の安定感が強みのジェネラルです。そのため、自分から積極的にゲームを仕掛けていくことが非常に重要となります。また、デッキの構成自体が速度に特化しているため、3ターン目までにコンボを始動できるように、ハンドキープの際はこの点を意識して行いましょう。
そして、これは全てのデッキで言えることではありますが、セルヴァラにおいてもサーチカードの使い方はとても重要なポイントです。状況に合わせて必要なカードを選択できるようになれば、当然勝率も上がっていきます。しっかりと練習をしてデッキと状況の理解を深めていきましょう。
以下余談ですが、現在では高速コンボ型のデッキが数多く存在しています。かつては競技シーンの代表格として認知されていた《野生の心、セルヴァラ》も、今では最強とは言いがたい状況にあります。
しかし、近年収録された《野生の魂、アシャヤ》や《忍耐》など、単体はもちろんのこと、コンボでも活躍するような強力なカードも多数補充されています。これは、序盤で仕掛けられなかった際のサブプランとして機能することと同時に、新しいコンボルートの開拓といった強化を受けていると言えます。そのため、《野生の心、セルヴァラ》は現在でも十分に競技的な統率者であると言えるでしょう。
最後に《野生の心、セルヴァラ》は、とにかく序盤から膨大な量のマナを出したり、また大量のカードを引いたりと、非常に豊かな動きが楽しくて、かつ強力な統率者なので、ぜひ一度は組んでみて、実際に触れていただきたいデッキです。
これらの強力な動きを生み出すために《ファイレクシアン・ドレッドノート》など、もはや専用と言っても過言ではないカードも積んでいるので、ぜひご自身でその強さと速度感を味わってみてください。ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
《野生の心、セルヴァラ》の記事は《むとうさんのめい》氏に監修頂きました。
《むとうさんのめい》氏が運営するDiscordサーバー《緑単EDHクラブ》は緑単EDHの集まるチャンネルです。興味のある方はぜひご参加下さい。
最終更新:2021/11/13
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